高校サッカー選手権の注目校を紹介。連覇を狙う青森山田、走れる神村学園、タレント揃う履正社......。混戦を抜け出すチームはどこか
第101回全国高校サッカー選手権大会展望 前編
第101回大会を迎える、全国高校サッカー選手権。優勝経験のある強豪、全国大会の常連が居並ぶなかで、トーナメントを抜け出すのはどのチームか。ユースサッカーを取材するライター3名に注目校を教えてもらった。まずは前回優勝の青森山田が入る、トーナメント表の左側半分を展望する。
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選手層が厚くなり、上位進出へ期待の神村学園 photo by Morita Masayoshiこの記事に関連する写真を見る
【コンディションが整った青森山田。神村学園にも注目】
前大会優勝の青森山田が入ったブロックこの記事に関連する写真を見る――まず前大会優勝の青森山田(青森県)が入るブロックはどうでしょうか?
土屋 今年の青森山田は1年間相当苦しんできましたが、今は完全に復調していますね。長きに渡って指揮を執っていた黒田剛さんが、来季からFC町田ゼルビアの監督に就任します。そこで今回は、青森県予選後に黒田さんが監督から総監督となり、正木昌宣コーチが監督に就任しました。
そんな黒田総監督と正木監督を、国立競技場で胴上げするという新たな目標ができて、選手たちのモチベーションもいい感じになってきています。
昨年がモンスターチームだったので、昨年から試合に出ている選手があまりいないなかで、リーグ戦の初めは5連敗もしましたし、インターハイでも初戦で帝京(東京都)に逆転負け。とにかく悔しい想いをしてきた1年。それを晴らすには、選手権は格好の舞台で、一番コンディションが整った状態で挑めるんじゃないかなと思います。
森田 なんやかんや、このブロックは青森山田という感じはしますよね。
土屋 ほかにもいいチームが多いんですけどね。
森田 僕は12月中旬のプレミアリーグの参入プレーオフを見て、尚志(福島県)がよくなっていると思いました。何よりタレントがいる感じがします。
松尾 それは僕も思いました。めちゃくちゃよくなりましたし、雰囲気もいいですね。個性的な選手が多くて、途中から試合に出場したMF安斎悠人(3年)は面白かったですね。
森田 いい選手ですね。ずっと噂では聞いていたけど、ドリブルが止められないんです。
松尾 僕が見た試合ではPKを1試合で2本取っていましたし、ちょっと止まらない感じはありますね。
森田 右サイドバック(SB)の鈴木大翔(3年)がうしろにいるんですけど、2人のコンビネーションもよくて、安齋が警戒されれば鈴木が前を追い越していく感じもあります。前線も選手が揃っていますね。
松尾 誰が出てもいい感じがしますね。
森田 3回戦で青森山田と対戦する可能性があるので、東北対決が実現したら面白いですよね。
あとこのブロックの注目は神村学園(鹿児島県)です。有村圭一郎監督が「今年の神村学園はいい意味で"らしく"ない」と話していて、定番のパスワークとかはあまりできないけど、その分走れて戦えると。困ったらFW福田師王(3年)に入れたらなんとかしてくれる。その"らしくなさ"が強み。いつもとは違う結果を残してほしいですね。
松尾 選手層も厚くなりましたよね。夏以降に高橋大悟(清水エスパルス)の実弟・MF修斗(2年)がサイドハーフで台頭し、左SBの吉永夢希(2年)も1列前で使えるのでバリエーションが多いです。
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