3連覇に挑むには準備不足だった川崎フロンターレ。来季、「常勝軍団」としての真価が問われる (3ページ目)
だが、言うは易しで、三笘、田中、旗手ほどの選手の代わりが、そう簡単に見つかるはずがないことも明らかだ。彼らのその後の活躍を見れば、その思いは一層強くなる。
しかも、さらに数年遡れば、長らくチームを支え続けたMF中村憲剛が現役を引退し、現在では日本代表の主軸を務めるMF守田英正も海外移籍で川崎を離れている。
こうして毎年のように日本代表クラスの主力が抜けていくなか、それでも直近6シーズンで優勝4回は驚異的と言うしかない。
加えて言えば、優勝を逃した2シーズンにしても、そこでの順位は4位と2位。AFCチャンピオンズリーグに出場している(つまり、前季は上位にいた)クラブが降格危機にあえぐことも珍しくないリーグにあって、安定した成績は一際目立つ。
それを考えれば、今季はよく2位で踏み止まった、と言うべきなのかもしれない。
むしろ心配になるのは、来季以降。おそらく来季は、川崎にとって今季以上に厳しいシーズンになるに違いない。
前回優勝を逃した2019年は、翌2000年にすぐさま王座奪還に成功したが、その時と今では状況が異なる。谷口が「スタメンの平均年齢がだいぶ高い。チームの循環が大事になる」と話すように、主力の高齢化が顕著だからだ。
しかし、だからこそ、川崎がどんな手を打ってくるか、楽しみでもある。
現在の川崎は、単にトップチームが黄金期を迎えているだけでなく、育成組織もまた、着々と成果を挙げている。何より最近のJリーグで最も魅力的なサッカーを繰り広げ、最も多くの賞金を手にしているのが、川崎なのである。それら数々の成果は、間違いなくクラブの財産として蓄積されているはずである。
Jリーグの常勝軍団と言えば、鹿島アントラーズの専売特許だったが、川崎は現在、その称号を我がものにする可能性を間違いなく秘めている。
3連覇挑戦が失敗に終わり、真価が問われる来季、川崎の本気に期待している。
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