残り2試合、熾烈極めるJ1残留争い。識者がズバリ予想する、J2降格の可能性が高いチームとは? (2ページ目)

  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

熾烈極める争いは勝ち点36を巡る攻防
チーム力が一枚落ちる磐田は一歩届かずか

杉山茂樹氏(スポーツライター)

◆最終順位予想
13位=湘南ベルマーレ
14位=ガンバ大阪
15位=清水エスパルス
16位=アビスパ福岡
17位=京都サンガ
18位=ジュビロ磐田
※識者の予想順位については、最終的に12位以上になるチームもあるかもしれないが、13位までの順位としてもらった(以下同)。

 J1残留への争いは、勝ち点36を巡る攻防と見る。該当チームの対戦相手は以下のとおりだ。

・湘南=第33節vsサガン鳥栖、第34節vs柏レイソル
・京都=第33節vsセレッソ大阪、第34節vs磐田
・福岡=第33節vs柏、第34節vs浦和レッズ
・清水=第33節vs鹿島アントラーズ、第34節vsコンサドーレ札幌
・G大阪=第33節vs磐田、第34節vs鹿島
・磐田=第33節vsG大阪、第34節vs京都

 このなかで直接対決があるのは、G大阪vs磐田と磐田vs京都だ。もし磐田が2連勝しても勝ち点は35。得失点差も残留争いをしているこの6チームのなかで断トツに悪い。一歩届かずに終わると見る。

 何よりチーム力が一枚落ちる。いただけなかったのは、引き分け(1−1)に終わった前節の戦い。清水相手に絶対に勝たなければならない試合であったはずなのに、引いて守った。消極的な戦い方をした。あるいは、それしかできなかったのか。

 終了間際、同点に追いついたが、そこまでが精一杯だった。火事場の馬鹿力が働きにくいサッカー。二匹目のドジョウはないと見る。

 一般的に、直接対決を残しているチームは不利。星の潰し合いになると考えられるが、残り2戦、虫の息にある磐田は草刈場となる可能性さえある。

 残る5チームにおいては、対戦相手のなかで明らかに調子が悪いチームの存在が目に止まる。鹿島と柏だ。柏は直近8戦が5分け3敗。鹿島に至っては、第20節以降の13試合で1勝しかしていない。

 つまり、瀕死の磐田に、絶不調の鹿島、柏を加えた3チームとの対戦を残しているチームは"ラッキー"と言いたいところだが、5チームいずれも同3チームとの対戦を残しており、湘南、京都、福岡、清水が各1試合、G大阪が2試合、ある。

 それでも、5チームのなかで一番順位が劣るG大阪が2試合を残し、対戦相手に最も恵まれているのは確か。混戦必至である。勝ち点上位の湘南はすんなり通過するだろうが、京都、福岡、清水、G大阪の4チームはほぼ横一線だ。

 地力で勝るのは清水。組み合わせに若干恵まれているのがG大阪。福岡か京都の争いで言えば、最近元気がない浦和との対戦を残している福岡がわずかに優利と言えるのかもしれない。

 今回のJ1残留争い。ここ何年かの間で最も熾烈を極めていることは間違いない。

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