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ドイツ最強のクラブ、バイエルン・ミュンヘンが求める資質、求める人材とは? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 このキャンプは世界各地で行なわれているがゆえ、そこでは当然、"お国柄"も表れるようだ。

「日本ではトレーニングに遅れてくる選手も一切いないですし、開始の5分前には全員がそろっている。それには本当に驚きました(笑)。礼儀を守りながら行動するのは、すばらしいことだと感じます。

 ただ、ピッチ外の振る舞いはすばらしいし、尊重するべきところがありますが、ピッチのなかでは違う一面を出していかなければいけない。一歩ピッチに入ったら、しっかりと自分の意思表示をする。その必要性が、もう一方ではあると思います」

 では、このキャンプを通じて伝えたい、バイエルンの育成フィロソフィーとはどんなものなのか。そして、バイエルンがこの年代で求める人材とは、どんな選手なのだろうか。

「しっかりボールを保持してダイナミックにプレーすることで、ゲームを支配する。今回のキャンプもそうですが、その方針の下で今はやっています。

 また、技術的、戦術的なことはもちろんですが、それにプラスして、しっかりとコミュニケーションをとることも大事ですし、最後まで諦めないとか、自信を持ってプレーするとか、そういう気持ちの部分についても、このキャンプを通じて伝えたいと考えています。

 バイエルンが求める選手については......、すごく大きな、漠然とした質問なので答えるのは難しいのですが......(苦笑)、まずは勇気を持っていることが一番大事。あとは、自信も大事ですし、それを表現することも大事になる。

 当然、ベースとなるテクニックなどは必要ですが、選手によって何が必要かはそれぞれ変わってくるものなので、彼らが10年後にプロのピッチに立つことを考えて、私たちはサポートしていかなければいけません」

 とはいえ、そうした考えがベースになっているのだとしても、サッカーにもいわばトレンドがあり、常に変化し続けている。フォーグルジンガーは、だからこそ、必要なことがあるとも強調する。

「選手が自立して、いろんな可能性を自分で獲得できるようにすることです。毎回こちらから指示を与えるのではなく、自分たちでしっかり考えてやれるようにならなければいけない。そこでは当然、彼らの『なぜ?』にこちらは答えてあげなければいけないので、しっかりと話して、コミュニケーションをとることが必要です。そうすることで、選手は自分で考え、消化し、自分のものにし、自立していきます。

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