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横浜F・マリノスが有する揺るぎない自信。首位陥落にもネガティブ評にも動じない理由 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 それでも、試合をより攻勢に進めていたのは、横浜FMのほうだ。

 攻撃時間やチャンスの回数で上回っていたのはもちろん、最終的に相手の守備を崩しきるためのコンビネーションの確立や、そのためのアイデアの共有といった点では、明らかに一日の長があった。

「結果より内容でどれだけやれたか、だと思っている」と語るマスカット監督が、「パフォーマンスはよかった」と繰り返し話していたのも納得である。

 キャプテンのMF喜田拓也は胸を張り、堂々と口を開く。

「準備したものを発揮できた。攻守ともにアグレッシブな姿勢を感じとってもらえたのではないかと思う」

 そもそも8月の公式戦4連敗と言っても、そのうちJ1の試合はひとつだけ。あとはルヴァンカップが2試合と、ACLが1試合だ。

 もちろん、カップ戦だから負けていいということではないが、大会が違えば、(自分たちだけでなく、対戦相手も含めて)戦い方が変わり、試合に臨む姿勢も変わる。すべてをひとくくりにして論じるのは無理がある。

 また、8月唯一のJ1での試合にしても、川崎フロンターレと激闘を演じた末の惜敗である。その試合内容は、現在のJ1で考えうる最高レベルのものであり、たとえ敗者であろうと何ら恥じる必要のないものだった。

 だからこそ、喜田は語る。

「8月はACLとルヴァンカップで悔しい負け方をしたが、J1はリーグ戦で積み上げてきたものを発揮する場。自分たちからネガティブなものを持ってくる必要はない。そんなことをするのはもったいない」

 J1の試合だけに絞ったところで、横浜FMが絶好調時と比べて、パフォーマンスを落としていることは確かだろう。人数をかけ、ボールを奪うべきところで奪いきれない。そんなシーンは目につく。

 だが、それはあくまでも相対的なものであり、どんなチームにも長いシーズンに波はある。横浜FMが多少調子を落としていたとしても、依然として優勝争いにふさわしい水準のプレーを見せていることは間違いない。

 GK高丘陽平も「勝ちきれなかったのは反省点」としながら、「押し込まれる時もあって、大崩れというか、3失点目の可能性もあったが、それを食い止められた」と、前向きな言葉を口にする。

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