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J1は第5節終了で一時中断。川崎、横浜FM、鹿島、浦和......。今季注目チームの出来をチェック (3ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

最大のサプライズは柏

 新型コロナウイルス感染陽性者を出したことで試合中止が続いたFC東京は、第5節終了時点で4試合と消化試合数は他チームより少ないが、3勝1敗と好調を維持。唯一の敗戦も王者、川崎相手のもので、しかも内容的には優勢に進めていた。

 今シーズンから指揮を執るのがアルベル・プッチ・オルトネダ監督。スペイン人指揮官らしく、中盤でのスペースを利用するためのポジション取りなど指示が明確だ。青森山田高出身の新人、松木玖生は好守でチームに貢献できる総合的なMFだが、アルベル監督は彼の戦術理解度などの才能を見抜き、松木は早くもチームの中心選手に成長した。

 今後、中止となった試合の代替日程も入るが、上位争いをするクラブと違ってACLの負担もない。新指揮官の戦術がさらに浸透していけば、優勝争いに絡める存在となることだろう。

 序盤戦の最大のサプライズは、柏レイソルだった。

 昨年はシーズン途中で江坂任が移籍、さらにこの冬にはクリスティアーノなどがチームを離れて大幅な戦力ダウン必至と見なされて、「降格」を予想する向きも多かった。ところが、相手チームに退場者が出たこともあって開幕2連勝。一時的には首位にも立ち、第5節終了時点でも4位につけている。

 これまで、攻撃面ではクリスティアーノやマイケル・オルンガなど外国籍選手に頼りがちだった柏だが、今季は全員が縦への推進力を身につけた。

 引いた守備が多いのは仕方がないが、ボールを奪うとすぐに前を向いて全選手が動き出し、素早くボールを前線に送り込む意識が高まった。そして、最前線の細谷真大(U-21日本代表)や中盤右サイドのマテウス・サヴィオなどが、攻撃にスピードと変化を加えている。

 横浜FMに勝利し、名古屋グランパスとも引き分けと上位チーム相手にも健闘している柏。これからどこまで勝点を伸ばせるかに注目したい。

◆【図】Jリーグ30年。歴代最強チームのフォーメーション

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