小野伸二のアイデアはどこから生まれるのか。「イニエスタを見ていると、インスピレーションを感じる」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by (C)2022 CONSADOLE

【小野イチオシ24歳の司令塔】

 将来は指導者になるのか、それともフロントに入るのか。そこは本人に決定権があるという。

「まだ選手なので、今はそこを考える必要はないかなと思っています。選手としての仕事をまっとうして、選手を退いた時に初めてそういったものに向き合って、チャレンジできていればいいと思います」

 札幌の野々村芳和会長が次期チェアマンに就任したことを考えれば、小野にもそうした未来が待っているのかもしれない。

「自分の人生がこれからどうなっていくかというのは、一瞬一瞬を大事に過ごすことで決まってくると思っています。先を見すぎず、一瞬一瞬を大事にしていくなかで、そういう縁が訪れるのなら、引き受けることもあると思います。ただ、それは先のことですから、今の自分は目の前のことを一生懸命やっていくだけです」

 昇格と降格を繰り返してきた札幌だが、2017年に復帰して以降はJ1の舞台にとどまり続けている。昨季は10位に終わったものの、今季はさらなる高みを目指すシーズンとなるだろう。

「補強も含めて、いい形ではできていると思います。そのなかで自分たちが競争心を高め、タイトルを獲るんだという気持ちをみんなが持てるように、今は準備をしているところです」

 興梠慎三や西大伍(ともに浦和レッズ→)、ガブリエル・シャビエル(名古屋グランパス→)など、今季の札幌には多くの実力者が加わった。質の高い選手が揃うなか、小野がイチオシするのがプロ4年目の24歳の司令塔だ。

「みんなそれぞれに特長があって、いい選手ばかりですけど、ひとり挙げるとすれば高嶺朋樹ですかね。左利きのボランチなんですが、彼は練習の姿勢もそうですし、試合ごとによくなっている選手なので、ぜひ注目してほしいですね」

 では、小野自身は来たるべく新シーズンに、どのような想いで向かっていくのか。

「もちろん、去年以上にピッチの上でプレーするのは当たり前のことですけど、1年間ケガをしないで楽しんでトレーニングに参加して、みんなにいろんなことを伝えていきたいと思います。そのなかでピッチに立てる時間を大事にし、有意義にプレーしたいと思っています」

 北の大地に降り立った天才は、気負わず、自然体に、25年目のシーズンに挑む。

【profile】
小野伸二(おの・しんじ)
1979年9月27日生まれ、静岡県沼津市出身。1998年に清水商高から浦和レッズに入団。同年、日本代表にも選ばれ、6月には史上最年少(18歳272日)でワールドカップに出場する。2001年にはフェイエノールトに移籍して主力としてUEFAカップ優勝に貢献。その後、浦和→ボーフム→清水エスパルス→ウェスタン・シドニー→北海道コンサドーレ札幌→FC琉球でプレーし、昨季より札幌に復帰。ポジション=MF。身長175cm、体重74kg。

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