今季Jリーグの優勝争いと見どころ。福田正博「ACL組は開幕から7試合が今季の行方を占うものになる」
■2月18日に開幕する今季のJリーグ。川崎フロンターレの3連覇への挑戦と、それを阻もうとする強豪の戦いはひとつの見どころだ。過密日程となる今シーズン、福田正博氏は「序盤が非常に大切で注目」と解説する。
今季のJリーグも川崎フロンターレが中心的存在となるこの記事に関連する写真を見る
【中盤の構成が楽しみな川崎】
今シーズンのJリーグも、中心的存在は川崎フロンターレで間違いないだろう。
昨シーズンは開幕前に守田英正(サンタ・クララ)、夏場に三笘薫(サン=ジロワーズ)と田中碧(デュッセルドルフ)という主力選手を海外移籍で失いながらも、2連覇を達成した。今シーズンは、オフに旗手怜央がセルティックに移籍して抜けたなかで、3連覇に挑むことになる。
開幕してシーズン途中に、主力選手が海外移籍でチームを離れる。川崎の選手たちの能力を考えれば今シーズンも起こりうることだが、その難しいチームマネジメントのなかで鬼木達監督が3連覇を達成できるかは、最大の焦点だろう。
補強は、Jリーグでの実績のある選手だと、北海道コンサドーレ札幌から来たMFチャナティップと横浜FCから獲得したMFの瀬古樹だけだが、チームスタイルにフィットする選手を的確に獲った印象だ。
チャナティップは川崎でも相当やると予想しているし、彼が加わって川崎がどんな化学反応を起こすかはとても楽しみなところだ。今季はカタールW杯のために、リーグ終了が11月頭と例年より短くなる変則シーズンであることを考えれば、中盤の選手層が厚みを増したのは大きい。
昨季終盤にアンカーのスタメンの座をつかんだ橘田健人や、ジョアン・シミッチのいるところに、アンカーをはじめ中盤ならどこでもできる瀬古が加わり、さらに大学No.1ボランチという評価の松井蓮之も加入した。ここに脇坂泰斗がいて、大島僚太も控えている。鬼木達監督が中盤をどういう構成にして、誰をどう配置するのか楽しみなところだ。
新入団選手では桐蔭横浜大から加入したGKの早坂勇希に注目している。U-18まで川崎の育成組織で育っただけに、チームに馴染むのに時間はかからないはずだ。とはいえ、守護神のチョン・ソンリョンの壁をすぐに越えるのは容易ではない。
ただ、川崎にとってGKの世代交代は不可避なテーマ。早坂に出場機会がめぐってきた時に一発解答のプレーを見せられれば、GKの世代交代は一気に進むのではないかと思っている。
1 / 3