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今季Jリーグの優勝争いと見どころ。福田正博「ACL組は開幕から7試合が今季の行方を占うものになる」 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Fujita Masato

【新監督のクラブは注目】

 このほかでは、新監督を迎えたクラブに注目している。FC東京は、アルビレックス新潟で2年間監督を務めたスペイン人のアルベル・プッチ・オルトネダ監督が就任し、親会社もmixiに変わった。大分トリニータを昨季まで率いた片野坂知宏監督は、ガンバ大阪の監督に就任した。

 FC東京を昨季途中まで指揮した長谷川健太監督は、名古屋グランパスの監督に就任。そして、レネ・ヴァイラー監督が指揮することになった鹿島。この4クラブは、資金力から見ても本来は上位争いを演じてもおかしくないだけに、監督と選手が入れ替わってチームがどう変化するのか楽しみにしている。

 そのなかで大転換をはかる鹿島には大きな興味がある。クラブ創設から歩んできたブラジル路線から完全に脱却し、今季はスイス人監督レネ・ヴァイラーを迎えた。どんなサッカーを鹿島に持ち込むかは、まだベールに覆われているところが多い。だが、クラブがボールを保持して主導権を握るサッカーへの転換を目指していることを踏まえれば、そういうサッカーをやれる監督なのだと思う。

 ピッチ上の選手たちがオーガナイズされた整然とした動きから、多くの時間帯でボールを保持するのではないかと予想する。そうだとしたら能力の高い選手がもともと揃っているチームだけに、適応するのに時間はかからないような気はしている。ただ、それでも勝負の世界はすぐに結果が出るものでもない。数カ月後にどう変わっているかを含めて見届けたい。

 今シーズンは開幕から上位対決が数多く組まれているため、どんなに実力が高くても序盤につまずくとそのまま立て直せずにドロ沼にハマる危険性はある。逆に、上位勢に少し及ばないクラブは、序盤戦は実力の似通ったチームとの連戦になるので、連勝できればチーム力を飛躍的に伸ばしていけるだろう。

 それだけに開幕から1カ月半での勝敗がシーズンの行方を大きく変えるものになる。序盤戦での各チームの戦いをしっかりチェックしてもらいたい。

◆【図】Jリーグ30年。歴代最強チームのフォーメーション

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