Jリーグの移籍事情に異変。今季のトレンド、シーズン途中の移籍で大物選手たちが躍動した (3ページ目)
また、シーズン途中に海を渡ってJクラブに移籍してきたのは、海外組の日本人選手ばかりではない。新たに加入した外国人選手にしても、鮮烈な印象を残した選手は数多い。
とりわけふたりのストライカー、浦和レッズのFWキャスパー・ユンカーと、名古屋グランパスのFWシュヴィルツォクの活躍は、特筆に値する。
ユンカーに関して言えば、加入は5月。厳密には、いわゆる"夏の移籍"で加入した選手ではない。だが、今季開幕後の浦和に加わるや、J1でのデビュー2戦目から4試合連続ゴールを記録するなど、圧巻のスピードでゴールを量産した。シーズン終盤はペースダウンしたものの、それでも21試合出場9ゴールと、得点力に乏しいチームにあって気を吐いた。
一方のシュビルツォクは、今夏のユーロ2020に出場してからの移籍加入。現役ポーランド代表の肩書きは伊達ではなく、力強いポストワーク、流れるようなフィニッシュと、ストライカーとしての高い能力を存分に見せつけた。
シーズン終了後にドーピング検査の陽性反応が明らかになったことは残念だが、リーグ戦14試合出場7ゴールはさすがの成績だった。
その他にも、三笘薫に代わるウイングとして川崎フロンターレに加わったFWマルシーニョや、浦和のDFラインを支えたDFアレクサンダー・ショルツなど、今季は夏以降の移籍で主力に定着した外国人選手も少なくない。
これまでシーズン途中の移籍というと、主力選手が海外移籍で抜けてしまう一方だったり、新外国人選手を獲得するもまったく活躍しなかったりと、あまりポジティブなイメージがなかったが、今季の動きを見ていると、その印象も変わりつつある。
シーズン前半は出遅れながら、夏を境に大幅な戦力アップを遂げる。近い将来、J1にもそんな優勝クラブが出てくるのかもしれない。
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