Jリーグの年間ベストイレブンを独自選定。ズラリと並ぶ川崎フロンターレ勢に他チームの誰が食い込むか (2ページ目)

イニエスタがピッチに立っているのは奇跡

小宮良之(スポーツライター)

前線はレアンドロ・ダミアンと上田の2トップ前線はレアンドロ・ダミアンと上田の2トップこの記事に関連する写真を見るFW/レアンドロ・ダミアン(川崎)、上田綺世(鹿島)
MF/前田大然(横浜FM)、家長昭博(川崎)
MF/アンドレス・イニエスタ(神戸)、田中碧(川崎)
DF/吉田豊(名古屋)、谷口彰悟(川崎)、ジェジエウ(川崎)、山根視来(川崎)
GK/ランゲラック(名古屋)

 連覇を達成した、川崎フロンターレの選手が中心になるだろう。

 レアンドロ・ダミアンはMVPに匹敵する存在感だった。ジェジエウ、谷口彰悟の2人は、ゴール前の守備で力強さを見せた。とりわけシーズン後半の川崎は、敵味方のペナルティーエリアのインテンシティで上回っている。

 右サイドで圧倒的キープ力を見せ、リズムを作っていたのが家長昭博だった。それに応じ、山根視来が縦横に活躍。田中碧は夏に移籍したが、たとえシーズン半分でも川崎サッカーをけん引し、特別に選出した。昨シーズンもSportivaの投票では田中をMVPに選んだが、別格のプレーヤーだ。

 名古屋グランパスは堅守でルヴァンカップ優勝を果たしたが、その中心がGKランゲラックだった。守備範囲が広いわけでも、キックに長けるわけでもないが、ゴールラインに沿ったゴールキーピングは世界標準。マッシモ・フィッカデンティ監督が守備の規律を整えた点も大きかった。その点、吉田豊も実直な攻守が際立って、恩恵を受けた。

 前田大然のゴールへのアプローチは野性味満点。猛然と裏に抜けるスピードだけでなく、クロスに入る迫力が際立った。上田綺世は前田に匹敵する得点の匂いを漂わせた。動き出しのよさは天才的で、潜在能力はこんなものではない。

 そしてアンドレス・イニエスタはピッチに立てば、一線を画していた。サッカーを生み出せる。彼がJリーグのピッチに立っているのは奇跡だ。

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