川崎フロンターレ・鬼木達監督の手腕を福田正博が評価。気になるMVP候補も考えた
■J1で2年連続4回目の優勝を決め、勝ち点は何と90超えが見えてきている川崎フロンターレ。充実した戦力にスポットが当たっているが、その戦力を整えたのは誰か。福田正博氏は「鬼木達監督はもっと評価されるべき」という。
驚異的な数字を残して、連覇を達成した川崎フロンターレこの記事に関連する写真を見る 川崎フロンターレが4試合を残した時点でリーグ優勝を決めた。昨季の勝ち点83も驚異的だったが、今季はあと2試合を残した現時点での勝ち点は88。勝ち点90という夢の大台が現実的になるほどの強さだ。
川崎のすごさはシーズン途中の夏場に、主力だった三笘薫(サン=ジロワーズ)や田中碧(デュッセルドルフ)が海外移籍で抜け、元日本代表の大島僚太も故障によって満足にプレーできない状況にあったなかでの2連覇ということ。ここに大きな価値がある。
圧倒的な勝ち点でリーグ優勝を決めたが、試合内容を振り返れば、とりわけ後半戦は負けていても不思議ではない試合が少なからずあった。
8月25日のアビスパ福岡戦に敗れ、開幕から19勝6分けの25試合負けなしが途絶えると、一時は横浜F・マリノスに勝ち点1差にまで詰め寄られた。9月22日からの鹿島アントラーズ戦、湘南ベルマーレ戦(9/26)、ヴィッセル神戸戦(9/29)の3試合では、3戦連続して先制点を相手に奪われる展開だったが、それを跳ね返して逆転勝利した。
シーズン中に主力選手が入れ変わってもチーム力を落とさずに戦いきれたのは、フロントの的確な補強策と、鬼木達監督の選手起用の妙があったからこそ。
後半戦は三笘の抜けた左サイドには新外国人のマルシーニョを補強し、田中碧の抜けたインサイドハーフでは旗手怜央が躍動。前半戦はジョアン・シミッチがつとめたアンカーには、神戸戦から大卒ルーキーの橘田健人がスタメンに定着した。
ベンチスタートの選手たちが出場機会で躍動したのも、川崎の強さを支えた。鹿島戦では宮城天、湘南戦では知念慶がアディショナルタイムに勝ち越しゴールを奪った。
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