J2の過酷な残留争い。大宮アルディージャ、栃木SCなどそれぞれが生き残る道は?
J1リーグ、川崎フロンターレが華やかに優勝を決めた日だった。11月3日、栃木グリーンスタジアム。J2で14位の栃木SCはJ2残留をかけて泥臭く戦っていた。
上位のジェフ千葉を相手に0-0のままで粘ったが、終盤にセットプレーの流れからクロスを中に折り返され、元日本代表DF鈴木大輔にヘディングで叩き込まれてしまった。
結局、0-1と手痛い敗戦。ライバルも同じく足踏みしたことで順位は変わらなかったが、予断を許さない。残り5試合、19位から22位の4チームがJ3に降格することになるが、栃木と19位の相模原SCとの勝ち点差はわずか5だ。
14位 栃木SC 38ポイント
15位 レノファ山口FC 38P
16位 大宮アルディージャ 37P
17位 ツェーゲン金沢 37P
18位 ザスパクサツ群馬 37P
19位 SC相模原 33P
20位 愛媛FC 33P
21位 ギラヴァンツ北九州 32P
22位 松本山雅FC 31P
「これから残り試合は、勝ち点1を取るために割り切る必要が出てくるかもしれない」
試合後、田坂和昭監督は切実な面持ちで語っている。
「(千葉戦は)最後はパワーで寄り切られた形でした。連戦で体力的な厳しさもあって、攻め手を欠いて。セカンドボールの勝負でしたが、ボランチのところで勝てず、相手に拾われて押し込まれてしまいました」
率直に言って、栃木には得点を取る形が見えなかった。「相手にサッカーをさせない」という意識が強すぎ、自分たちでボールを握る、回すという点はほとんど鍛えられていない。まともに攻撃を作れず、スクランブルでの得点に頼るしかないのが現状だ。
もっとも、1試合勝つだけで精神的に優位に立てる順位にはいる。
「悲観はしていない」
試合後、ブラジル人FWジュニーニョは語っていたが、しぶとい人海戦術を積み上げてきただけに、今はそれで勝ち点をもぎ取るしかないだろう。
勝ち点7の間に9チームがひしめき合う勝負は緊迫感があり、過酷だ。はたして、どこが残留争いで生き残るのか。
残留に向けて厳しい戦いが続く大宮アルディージャの選手たちこの記事に関連する写真を見る 16位と低迷する大宮アルディージャは、直近2試合で、1、2位のジュビロ磐田、京都サンガにラストプレーで連敗するという苦境にあるが、シーズン途中でチームを率いることになった霜田正浩監督の「プレー設計図」は少なくとも見えている。
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