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ガンバ大阪、見せられるかオリジナル10の底力。残留に向け浮かび上がる現状の緊急性 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 一方で昨季は2位となったG大阪は継続路線で臨み、ACL参戦を見越して戦力アップを実現したが、よもやの低迷を強いられた。32節を終えて、勝ち点34で14位と残留圏に位置するものの、残り6試合で降格ラインとなる17位の湘南ベルマーレとの差は6ポイントで、安全圏には辿り着いていない状況だ。

 もちろん開幕直後に新型コロナの影響で活動休止に追い込まれたことが、一番の痛手だっただろう。活動再開後にチームを再構築しようにも、スケジュールがひっ迫し、五輪中断期間中も試合をこなさなければならず、修正を図れなかった。

 宮本恒靖監督の解任という大ナタを振るったものの、コロナの影響で外国籍監督の招聘が難しく、前回降格時の監督(松波正信)にあとを託すことしかできなかったのも痛恨だった。外的要因に影響を受け、チーム作りを思うように進めることができなかったのは不運としか言いようがないものの、そのエクスキューズも過酷なサバイバルレースでは通用しない。

 10月16日に行なわれた第32節の浦和戦でも、G大阪はいいところがなかった。

 終始ボールを支配され、何とか耐えしのぐも、アディショナルタイムにVAR判定でPKを与えて失点。最後に破綻し、慌てふためく降格するチームにありがちな光景を目の当たりにした時には「これはダメかもしれない」と心底思ったものだ。

 ところがその直後にお返しとばかりにPKをもらい、同点ゴールを奪取。命拾いしたG大阪は、残留に向けて価値ある1ポイントを手にしている。

 もっとも最低限の結果は得たものの、内容的には厳しい。シュート20本を浴び、決定機も数多く与えた。守護神の東口順昭の神がかったパフォーマンスがなければ大量失点での敗戦もやむなしだった。

 一方で、得点の匂いはまるでしなかった。チャンスと言えるシーンは宇佐美貴史とウェリントン・シウバの個人技で生み出されたもので、PK奪取シーンもロングボールの処理を誤った相手DFのミスによるもの。ある意味、こちらも神がかっていた。

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