ガンバ大阪、見せられるかオリジナル10の底力。残留に向け浮かび上がる現状の緊急性
開幕時からリーグに参戦する、いわゆる"オリジナル10"のクラブが今年で29年目を迎えたJリーグを力強く牽引してきたことは間違いない。そのバイオリズムには波があるとはいえ、多くのチームが長く強豪として君臨し、数々のタイトル獲得や多くの名手を輩出してきた。
リーグ優勝の回数を見ていくと、鹿島アントラーズの8回を筆頭に、横浜F・マリノスが4回、サンフレッチェ広島が3回、ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)とガンバ大阪が2回、名古屋グランパスと浦和レッズがそれぞれ1回ずつ。合併消滅した横浜フリューゲルスを除いた9チームのうち、優勝経験がないのは清水エスパルスとジェフユナイテッド市原(現・千葉)の2チームのみだ。
宇佐美貴史が個人技でゴールを狙うも......この記事に関連する写真を見る 一方で、オリジナル10がJ2に降格すれば、その衝撃度はことさら大きい。
9チーム中、J2に初めて降格したのは1999年の浦和。次いで2002年に広島、2005年に東京V、2009年に千葉、2012年にG大阪、2015年に清水、翌2016年には名古屋が陥落した。1993年からトップリーグで戦い続けるのは、鹿島と横浜FMの2チームのみとなった。
ただし、千葉と東京VはJ2が定位置となった一方で、浦和、G大阪、清水、名古屋は1年でJ1に復帰。2度落ちた広島も都度1年でJ1に戻っている。その意味でオリジナル10には、伝統に裏打ちされた"底力"があるということだろう。
もっとも、チームの数が増えて戦力の均一化が進み、戦術の多様性が増してきた今では、どのチームが落ちても、もはや驚きはないのかもしれない。それでも、オリジナル10はJ1こそふさわしいというイメージを拭えないオーバー40の筆者にとって、やはり彼らの降格は衝撃的なのである。
今季、衝撃をもたらす危険性があるのは、清水とG大阪だ。昨季も低迷した清水は体制を変え、積極補強を敢行したにもかかわらず、過渡期のチームが産みの苦しみを味わっている印象だ。
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