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長友佑都が見せた「日本」への適応力。欧州からJリーグ復帰組の明暗 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Fujita Masato

〇乾貴士(エイバル/スペイン→セレッソ大阪)

 乾は過去リーガ・エスパニョーラで最も活躍した日本人選手と言える。所属したエイバルではトリッキーなボールタッチが地元ファンに愛された。入団当初は守備が課題とされたが、徐々に改善していった。

 C大阪には、2011年にブンデスリーガのボーフムに完全移籍して以来の「復帰」という形になる。

 個の力には、やはり目覚ましいものがある。ドリブルでディフェンスに向かう時には、相手に怖さを与えられる。単純なスピード、幻惑させるボールタッチ、切り返しの鋭さやキックの重さ。その覇気が伝わって、間合いに入らせない。第30節の鹿島アントラーズ戦では、左サイドから中央へドリブルでボールを運ぶと、相手をあとずさりさせ、スルーパスで原川力の得点をアシストした。

 もっとも、C大阪は監督交代などでチームとしての戦い方が失われ、全体的に、個でどうにかしようとするプレーが目立つ。乾も空回り気味で、復帰後はアジアチャンピオンズリーグを含めて2勝5敗と大きく負け越している。チーム全体の問題が深刻なだけに、立て直しには時間がかかるかもしれない。

 乾個人のトラップ、パス、ドリブルなど、ひとつひとつのプレーはスペクタクルなのだが......。

〇安西幸輝(ポルティモネンセ/ポルトガル→鹿島アントラーズ)

 ポルティモネンセで2シーズンを過ごした後、安西は鹿島に戻ってきた。当初はコンディションの問題で交代出場が多かったが、徐々に本領を発揮しつつある。代表戦による中断前の川崎戦では、左サイドから中に持ち込んで右足で強烈なシュートをお見舞い。その直後には、縦を突っ切って、左足でクロスをファン・アラーノの頭に合わせた。

 スピードとスキルの高さは本物だ。

 ポルティモネンセでは、サイドバックとしてポジションをつかんでおり(カップ戦も含め、60試合に出場)、その実力に疑う余地がない。過去にも日本代表レベルのサイドバックがポルトガルで挑戦したことがあるが、定位置をつかむには至らなかった。ポルトガルではサイドバックに要求されるインテンシティやスキルは高いのだ。

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