J1残留サバイバルは最下位からの逆転も可能。「降格4枠」から抜け出すチームは? (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 もちろん、プロである以上はどのチームも勝利を求めてくることに変わりはないものの、とりわけシーズン終盤は、何かが"かかっている"チームと"かかっていない"チームとではモチベーションに差が生じやすく、その温度差がパフォーマンスに反映されることは決して珍しいことではない。その意味で"かかっていない"チームとの対戦が多い清水にとって、ポジティブな材料と言えるだろう。

 8チームのなかで最上位に位置する柏も、直接対決=2、上位対戦=2と比較的恵まれたスケジュールとなっている。一方、直接対決が最も多いのは大分で、7試合中5試合がサバイバルマッチとなる(上位対戦は1試合)。

 もっともこの状況は、降格圏からの脱却を狙う大分にとってありがたいことかもしれない。いわゆる「シックス・ポインター」となるだけに、勝てば一気に立場を逆転できる可能性があるからだ。もちろんその逆もあり得るが、その機会が5度もあることは、自らの手で残留の道を切り開ける可能性が高まることになる。

 湘南も直接対決を4試合残しており、徳島と横浜FCは3試合。仙台とG大阪は2試合となっている。G大阪に関して言えば、上位対戦が5試合あり、全7試合が対戦相手にも"何かがかかっている"試合となる。優勝あるいはACL出場を目指して士気の高い上位陣からいかに勝ち点を奪えるかが、G大阪残留のカギとなりそうだ。

 そしてもうひとつ、残留争いのポイントに加えるならば、得点力になるだろう。

 残留争いから抜け出すためには、勝ち点1ではなく、勝ち点3が求められる。そのために必要なのは、ゴールにほかならない。過去にも得点力不足に泣き、降格の憂き目にあったチームは枚挙にいとまがない。

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