Jリーグ8月のベストイレブンを独自選考。絶好調チームのキーマンたちを紹介 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 横浜FM同様、最高のリスタートを切ったのは、鹿島アントラーズだ。

 試合数は横浜FMよりも少ない5試合ながら、4勝1敗の好成績で順位も3位まで浮上してきた。上位2クラブとは勝ち点差が大きいが、一時の下位低迷を思えば、明らかに戦い方は安定してきた。

 その原動力は、横浜FMとは対照的に、鉄壁のディフェンスである。8月の5試合で、わずかに失点2。3試合のクリーンシートが光っている。

 とりわけ8月最後の試合で、横浜FMを完封したインパクトは大きかった。

 絶好調・横浜FMに8月唯一の土をつけたばかりでなく、直近3試合で14ゴールを奪っていた攻撃陣を完璧なまでに抑え切ったディフェンスは、どこまでも強固だった。

 堅陣の中心を成していたのは、犬飼智也と町田浩樹のセンターバックコンビ。守備ブロックのバランスを決して崩すことなく、左右へのスライドやボールへのアタックを丹念に繰り返した。

 このふたりに、ボランチとして守備ブロックの要を担った三竿健斗、そして攻撃の中心として確実に存在感を高め、8月に3ゴールを決めた荒木遼太郎を合わせた4人を、月間ベスト11に加えたい。

 また、強烈なインパクトを残したという点で、8月のJ1において忘れてはならないのが、アビスパ福岡である。

 8月は3勝1分1敗と好成績を残したのもさることながら、3つの勝ち星のうちのひとつは、首位・川崎に今季初黒星をつけたもの。昨季第28節以来となる敗戦を、ディフェンディングチャンピオンに与えた。

 1-0で王者を沈める芸術的な左足シュートを決めたのは、ジョルディ・クルークス。精度の高い左足のキックを生かした右サイドでのチャンスメイクは、福岡の重要な得点源となっているが、まさにそれが大一番で結果に結びついた。

 攻のヒーローがクルークスなら、守のヒーローはGKの村上昌謙。堅守を武器とする福岡にあって、最後尾からチームを支える村上の存在は不可欠なものとなっている。

 好セーブを連発し、王者から金星を挙げた川崎戦だけでなく、8月は5試合トータルでわずか3失点。3勝のうち2勝が無失点勝利だった。

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