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川崎フロンターレ、ACLぶっつけ本番遠征の舞台裏。谷口彰悟「最悪のケースや環境も覚悟していた」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by (C)KAWASAKI FRONTALE

 出発前まではまったく情報がなかっただけに、「最悪のケースや環境も覚悟していた」と谷口は苦笑いする。

「僕ら選手もマネージャー(主務)の清水(泰博)さんに『現地ってどんな感じなんですか?』とか『ホテルにこれはありますか?』と聞いていたのですが、『しらん!(笑)』と言われていました。それもあって選手たちもいろいろと準備してきましたが、思っていた以上に快適に過ごせています」

 主務の清水泰博に聞けば、やはり「開催地決定から準備期間が短く、情報が何もなかったことが大変でした」とうなずく。集中開催方式になることは事前にわかっていたが、AFC(アジアサッカー連盟)からタシケントでの開催が発表されたのは5月10日のこと。そこから出発までわずか1カ月ほどで準備を進めなければならなかった。清水は言う。

「これまでならば、ACLで海外遠征に行く際には現地に下見に行き、ホテルや練習場、スタジアムを視察していたのですが、コロナ禍に加え、開催地決定から試合日までの期間が短かったこともあって、下見に行くことができなかったんです。下見に行ったとしても、その後の隔離期間などを考えると、得策ではなかったので。

 ほかのクラブが行ったことのある土地ならば、情報収集もできましたが、今回はそれもありませんでした。事前にホテルとコンタクトが取れていれば、違った準備もできたのかもしれませんが、なかなか連絡が取れず、AFCの人に会うのもこちらに着いてから、という状況でした。

 だからもう、ぶっつけ本番ではないですけど、チームとしてできるかぎりの準備をしながら、あとは着いてからの勝負だという感じで旅行会社とも話をしていたんです」

 ACLに臨むに当たり、最初のハードルとなったのが移動手段だった。再び清水が言う。

「まずは、移動の手段をどうするのか、というところからのスタートでしたね。タシケントへは日本からの直行便がなく、通常便で行けばトランジットも含めて2日くらいの移動時間が掛かる。経由先としてはインドやトルコ、もしくは韓国ということでしたが、長ければトランジットで10時間以上も待つ可能性があるということでした」

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