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襲いかかるラモス! 永井秀樹監督が映像で選手に闘争心を注入→ヴェルディの連勝が始まった

  • 会津泰成●取材・文 text by Aizu Yasunari
  • photo by Getty Images

永井秀樹 ヴェルディ再建への道
トップチーム監督編(22)

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 永井ヴェルディに新たな「強み」が備わりつつある。第16節ブラウブリッツ秋田戦(5月29日)から第19節のSC相模原戦(6月20日)までリーグ戦は4連勝。しかも、ここ3試合はいずれも零封勝利と、これまでとは一味違う「泥臭さ」や「粘り強さ」を感じさせる、気迫溢れた戦いぶりが印象的だ。そんな勝利に対する執着心を引き出すため、永井は少年時代から憧れ、今なお師と仰ぐカリスマの姿を選手に紹介していた。

勝利に対する執着心を引き出せたことで、個の技術や戦術理解度がより生かされるようになった勝利に対する執着心を引き出せたことで、個の技術や戦術理解度がより生かされるようになった きっかけは連勝の始まるひとつ前の試合、第15節ジュビロ磐田戦(5月23日)での敗戦だった。ヴェルディはジュビロを上回るボール支配率(60.1パーセント)を記録しながらもシュートはわずかに5本(ジュビロ/15本)に終わり、0-2で敗れた。

 永井はジュビロ戦で、負けた悔しさ以上に勝利に対する熱量が物足りなく感じた。そして「今チームには何が必要か、監督としてどうすれば選手たちの熱量、潜在能力を引き出すことができるか」について改めて考え直したという。

 監督就任以来、磨き上げてきた「個の技術」や、賢く組織で試合を組み立てる「戦術理解」はチームに浸透した。しかし、そんな強みをより発揮し、結果に結びつけるためには、勝利に対する執着心をさらに意識する必要性を感じた。

「(ジュビロ戦では)チャンスでゴールを目指せるのに、ボールをキープしてしまう。引いた相手を崩すために仕掛けてほしい場面なのに戦わない選択が見受けられた。

 尊敬する指導者であり、自分のサッカーに対する考え方にも影響を与えてくれているヨハン・クライフの有名な言葉に、『美しく勝利せよ。無様に勝つことを恥と思え』というものがある。この言葉の正確な解釈は正直難しい。クライフの言葉は、ひとつ間違えれば『無様に勝つくらいならば、すばらしいサッカーをして美しく敗れたほうがいい』と誤解されるかもしれない。

 当然、クライフには『だからこそ勝て、勝利せよ』『優れた戦術は勝利のためにある、すべては勝利のために』という考えが根底にある。そんな勝利に対する執着心を『自分は指導者として選手に伝えきれていなかったのではないか』と猛省した」

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