土居聖真が小笠原、内田、曽ヶ端から学んだ「鹿島イズム」の真髄

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 サッカーは個人競技ではなく、11人でやるスポーツなので、人のせいにしたくなる時ってあると思うんですよね。でも、そこをグッと堪えて、自分に矢印を向ける。僕がリーグ優勝を経験したのは2016年の一度だけですけど、あの時のチームは自分に矢印を向けている選手が多かったなと、今振り返るとあらためて思います」

 自分に矢印を向けて、もっと、さらに、そして次は、と追求してくことで成長していく。それがひとり、ふたりと増えていくことで、土居が言うようにチームの矢印は方向が揃い、そして太くなっていくのだろう。

「しかも、それを1年間続けていくことが大事。今だけがいい、というのではダメなんです。自分も若い時は、この時期は調子がいい、この時間帯まではプレーの質がいいということがありましたけど、90分通して力を発揮できなければいけないし、1年間継続していかなければいけない。チームとして、それができた結果が、タイトルにつながっていく」

 そう言って土居は、自分の若かりしころを思い出す。

「まだ、試合に出られなかった若い時、(岩政)大樹さんに言われたんです。『どうやったら試合に出られると思う?』と。それで考えていたら、『チームメイトに認められることだ』と教えてもらった。

 今日、明日だけいいプレーをするのではなく、ずっといいプレーをしていくことでチームメイトに認められていく。そうすることで、監督にも認められれば、チームメイトから信頼され、パスも出てくるようになる。その言葉を聞いてからは毎日、大樹さんに『お前、いいな』と思われるように練習していた。そうやって続けていたら、プロ3年目の夏かな。試合に出られるようになったんです」

 チームメイトが認める選手。それは、土居が背中を追いかけた3人にも共通している。そして、守備というプレーでチームを助け、攻撃ではゲームを作る土居のプレーもまた、それを体現している。

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