中村憲剛×佐藤寿人の願い。海外での経験をJリーグに還元してほしい

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

中村憲剛×佐藤寿人
第2回「日本サッカー向上委員会」@後編

 1980年生まれの中村憲剛と、1982年生まれの佐藤寿人。 2020年シーズンかぎりでユニフォームを脱いだふたりのレジェンドは、現役時代から仲がいい。気の置けない関係だから、彼らが交わすトークは本音ばかりだ。ならば、ふたりに日本サッカーについて語り合ってもらえれば、もっといい未来が見えてくるのではないか。飾らない言葉が飛び交う「日本サッカー向上委員会」、第2回は若い世代の海外移籍について語ってもらった。

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佐藤寿人氏が日本でもう一度見たいと語る川島永嗣佐藤寿人氏が日本でもう一度見たいと語る川島永嗣この記事に関連する写真を見る---- 若い世代の海外挑戦において、おふたりはオファーが来た時のためにあらかじめコミュニケーション能力やメンタルの部分での準備をしておくことが大事だと言いました。板倉滉選手(21歳の時に川崎フロンターレからマンチェスター・シティ→フローニンゲンに移籍)や菅原由勢選手(19歳の時に名古屋グランパスからAZアルクマールに移籍)は、若くしてしっかり準備ができていたと。

中村 ただ、守田(英正/サンタ・クララ)みたいに、大卒で3年やって、ポルトガルに行くパターンもあるからなあ。

佐藤 すごいですよね。あの年齢(移籍当時25歳)で、あそこまで積み上げたのは。

中村 あのパターンはフロンターレ的には困るんだけどね(笑)。

佐藤 日本サッカー的にはいいことですよ。大卒から、ああいう選手が生まれるのは。

中村 そう、いいことです。いなくなっても、いずれ出てきますから。今、Jリーグでもけっこう若い子が出てきてますよね。交代枠が5人になったのもあるし、意識も確実に高くなっている。

「人材が流出する」というマイナスのところに目を向けるのか、それとも「新しい選手が出てきて活性化する」とポジティブに捉えるか。いい選手が外に出れば、それだけ新しい選手が出てくる。そうやって幅が広がっていったほうが、日本サッカーにはいいことだと思いますね。

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