2021.04.16

J1昇格組・徳島ヴォルティスの実力を侮るなかれ。キラリと光る19歳&20歳も注目

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 例年、シーズン前の順位予想で降格候補に指名されるのが、J2からの昇格チームである。今季であれば、徳島ヴォルティスとアビスパ福岡の2チームとなる。

 無理もない。いくらJ2でいい戦いをしていても、ひとつ上のカテゴリーでどこまでやれるかは、やはり未知数。テクニックやプレー強度、判断スピードといった部分でも格差があるため、J2でできていたことがJ1ではできなくなることも少なくない。

 結果、"J1仕様"へのマイナーチェンジを余儀なくされ、継続性を保てなくなり、迷走する。そんなチームは、過去にも多くあった。

ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ19歳の藤田譲瑠チマナイジェリア人の父と日本人の母を持つ19歳の藤田譲瑠チマ  J2がスタートした1999年から昨季までの22年間で、J1に昇格したのは延べ56チーム。うち1年でJ2に戻ったのは18チームに及ぶ。

 降格がなかった昨季の2チーム(柏レイソルと横浜FC)を除けば、確率的には54分の18となる。これを多いと見るか、少ないと見るかはそれぞれの感覚だろうが、3分の1がJ1の壁に阻まれているのは事実である。

 徳島も初めてJ1に昇格した2014年はわずか3勝しか挙げられず、最下位で降格の憂き目にあった。福岡にいたっては2006年、2011年、2016年と、3度も昇格1年目で降格という屈辱を味わっている。さらに今季は4チームが降格するレギュレーションであり、残留のハードルはより高まっているのは間違いないだろう。

 一方で、昇格チームが躍進したケースもある。

 2009年のサンフレッチェ広島(4位)、2010年のセレッソ大阪(3位)、そして2011年の柏レイソルと2014年のガンバ大阪は、昇格1年目で優勝という快挙を成し遂げている。そもそもJ1レベルのチームだったのは確かだが、いずれのチームもJ2で確固たるスタイルを築き上げ、J1の戦いにつなげたことに変わりはない。

 確固たるスタイルを持つという点では、今季の徳島も当てはまる。スペイン人のリカルド・ロドリゲス監督の下、4年間にわたってベースを築き、昨季のJ2で圧倒的な強さを披露した。