2021.04.21

Jリーグ序盤戦に見る、今季補強が成功しているチーム「ベスト3」

  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

このオフもJ1各クラブが精力的に戦力補強を敢行した。長引くコロナ禍にあって、いまだ期待の外国人選手が合流できていないチームも多いが、各クラブの補強について、ひとまずシーズン序盤戦での評価をしてみたい。新戦力が活躍しているチーム、補強がうまくいったチームはどこか。識者3人に「ベスト3」チームを挙げてもらった――。

今季新加入の選手が活躍し、リーグ序盤で3位という結果を残しているサガン鳥栖今季新加入の選手が活躍し、リーグ序盤で3位という結果を残しているサガン鳥栖 昨季13位の鳥栖が驚きの3位躍進
新戦力の活躍なくして考えられない

浅田真樹氏(スポーツライター)

1位=サガン鳥栖

 昨季13位のサガン鳥栖が、昨季の王者・川崎フロンターレと3位・名古屋グランパスに次ぐ3位(※4月18日開催分終了時点。以下同じ)につけている時点でかなりの驚きだが、昨季終了後に主力の多くがチームを離れたことを考えれば、驚きはさらに増す。新戦力の活躍なくして、この順位は考えられない。

 戦略家である金明輝監督は、対戦相手によってさまざまな策をチームに落とし込むが、それでも新戦力が適応できるのは、指揮官の手腕もさることながら、自らのスタイルに合った選手を適材適所で獲得していることが大きいのだろう。

 新戦力の顔ぶれを見ても、チーム得点王(5ゴール)であるFW山下敬大(ジェフユナイテッド千葉→)をはじめ、MF酒井宣福(大宮アルディージャ→)、MF飯野七聖(ザスパクサツ群馬→)、MF仙頭啓矢(京都サンガ→)ら、J2クラブからの移籍加入が多く、過去にJ1実績十分と言えるのは、DFファン・ソッコ(清水エスパルス→)くらいのものだ。

 クラブの経営状況を考えれば、限られた予算内での人材の有効活用は際立っている。


2位=アビスパ福岡

 昨季J2では堅守を武器に、組織的でソリッドな戦いを見せていた福岡にとって、大きく選手の顔ぶれが入れ替わった今季は、決して戦いやすい条件が整っていたとは言い難い。

 だが、時にフィールドプレーヤーの半分以上が新戦力などという状況になっても、福岡は手堅く、粘り強い戦いを一貫して続けることができている。DF宮大樹(鳥栖→)、MF金森健志(鳥栖→)、DF志知孝明(横浜FC→)、MF吉岡雅和(V・ファーレン長崎→)ら、新戦力が早くも主力に定着し、忠実にチームでの役割をこなしているからだ。

 J1残留が現実的な目標となるチームにとって、厳しい戦いはこれからも続く。だが、3勝4敗4分けと五分に近い成績で11位につける現状は、大健闘と言えるだろう。


3位=セレッソ大阪

 新戦力の活躍度を、単純に人数や出場試合数で計るなら、おそらく浦和レッズや清水エスパルスが上位に来るのだろう。すでにJリーグでの実績がある外国人新監督という、いわば"最大の新戦力"に率いられ、いずれも今季新加入の選手が数多くピッチに立っている。

 とはいえ、いかに数ばかりが多くても、チームの勝利につながらなければ意味がない。浦和は10位、清水は14位という成績を加味して考えると、新戦力の活躍もインパクトに欠ける。

 新戦力の活躍が、どれだけチームの成績向上につながっているか。その点で言えば、やはりセレッソ大阪のFW大久保嘉人(東京ヴェルディ→)の活躍は見逃せない。大久保が開幕戦から3試合連続で決めたゴールによって勢いづいたチームは、現在4位につけている。

 また、FW加藤陸次樹(ツエーゲン金沢→)、MF中島元彦(アルビレックス新潟への期限付き移籍終了→)ら、才能豊かな若い選手が、ベテランFWの活躍に引っ張られるように貴重な働きを見せていることも、C大阪の上位進出を支えていると言っていい。大久保の存在がチーム内に好循環を生み出している。