蘇った大久保嘉人。基本に忠実な動きが得点力を支えている

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~

Question
後方で味方がボールを拾う。大久保はどう動いたか

 38歳の点取り屋がまさかのカムバックだ。今季からセレッソ大阪に加入した大久保嘉人は、開幕から先発に名を連ねると3試合連続で得点。

 第3節清水エスパルス戦ではゴールできなかったが、それでも4得点で現在得点ランク首位に立っている。

 大久保は川崎フロンターレ時代の2013、14、15年に、3年連続得点王に輝いた。その後、FC東京に移籍し、ジュビロ磐田など渡り歩くと得点力は徐々に鳴りを潜めるようになった。

 そして昨季J2の東京ヴェルディで19試合0得点。J1で栄華を極めたストライカーのキャリアも、ここで終わりを告げるのかと思われた。

 それが今季、再起をかける大久保の得点感覚はかつてのように研ぎ澄まされていた。

豊川からのパスを坂元が拾いそうな状況。ゴール前の大久保はどう動いたか豊川からのパスを坂元が拾いそうな状況。ゴール前の大久保はどう動いたか 第2節FC東京戦での得点シーンである。前半14分、ペナルティーエリアでパスを受けた豊川雄太がワンタッチで落とすが、パスがずれて味方選手の間を通過していき、しかし、そのボールを坂元達裕が拾った。

 それを見た大久保はどうしただろうか?

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