ガンバ東口順昭、スーパーセーブ連発のナゼ。「自分の中で何かが変わった」 (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

 思えば、昨シーズンの東口は「圧巻」と表現するにふさわしいパフォーマンスを示し続けた。チームの最後尾に立つゴールキーパーというポジションが、守備面での貢献のみならず、チームの"勝利"に大きな影響をもたらすと実感した試合は、1度や2度ではない。事実、そのパフォーマンスは毎週のように『DAZN週間スーパーセーブ』に選出された。

「個人的にも『出し切った』と感じられた部分も多く、自分のパフォーマンスがしっかりと確立されたという手応えもつかむことができました」

 その過程ではどういった積み上げをしてきたのか。好パフォーマンスを裏づける、どんな意識の変化やトレーニングの充実があったのか。本人に尋ねると、「そんな大層なことではないけど......」と前置きしたうえで、「もっとうまくなりたいという意欲」と「プレーも、考え方も無駄なところをそぎ落とす作業」という2つの言葉が続いた。

 後者が気になり、追いかけて尋ねてみる。やはり、確かな裏づけがあった。

「近年、『プレーや体、考え方の部分で、いらないものは削ぎ落とそう』と思っていろんなチャレンジをしてきたことが、昨年は一番、形になった気がしています。例えば、2018年のワールドカップ・ロシア大会の前後から、左右ではなく、前後のポジショニングをすごく意識するようになって......。シューターに対しての距離の詰め方、ミドルシュートに対しての距離の取り方などの試行錯誤を繰り返していたんです。

 といっても、その距離感ってあくまで感覚的なものだし、毎回、シチュエーションが変わるからこそ、つかむのは難しく......。それもあって、練習ではシューターとの距離をめちゃめちゃ詰めてみるとか、止まってみるとか、あえて距離をおいてみるとか、いろんなことを細かく試していました。

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