「新しいレッズが垣間見えた」と森重。浦和の新スタイルに敵も唸った

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 例えば、これがJ1昇格1年目のチームであるとか、J1残留が目標というチームなら話は別だ。結果は引き分けでも、優勝候補にも挙げられるFC東京を相手に内容で上回った意義は大きく、ナイスゲームと称えられていいのだろう。

 だが、浦和レッズはそうではない。人気や予算規模で言えば、Jリーグ屈指のビッグクラブである。本来的な格で言うなら、今季は"打倒・川崎"の一番手に名乗りを挙げてほしいところだ。

 内容がよかったからといって、最後には追いつかれ、勝ったわけでもない試合をことさら善戦だった評することには、正直なところ、少なからず抵抗がないわけではない。

 とはいえ、浦和が2シーズン連続でふた桁順位に終わっていることも事実である。2017年途中にミハイロ・ペトロヴィッチ監督が解任となって以降、目指すサッカーが一貫しない状態が続いていたことを思えば、リカルド・ロドリゲス監督を迎えた新生・浦和は、上々のスタートを切ったと言っていいのだろう。

主導権を握っていた浦和の阿部勇樹(写真左)が先制ゴールを決めた主導権を握っていた浦和の阿部勇樹(写真左)が先制ゴールを決めた FC東京とのJ1開幕戦は、後半29分に右CKからキャプテンのMF阿部勇樹が先制点を決めるも、後半41分に追いつかれ、結果は1-1の引き分け。しかし、内容的に言えば、主導権を握っていたのは浦和である。攻守両面でバランスよく試合を進め、FC東京の武器である速い攻撃を許すことがなかった。

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