Jリーグを盛り上げてきた旧ユーゴ系監督。全員、記者会見が強烈だ
『特集:Jリーグが好きだっ! 2021』
Jリーグ監督列伝(2)
2月26日に開幕するJリーグ。スポルティーバでは、今年のサッカー観戦が面白くなる、熱くなる記事を、随時配信。さまざまな視点からJリーグの魅力を猛烈アピール!
今回は「Jリーグ監督列伝」の外国人監督編。なかでも旧ユーゴスラビア諸国出身監督の、「強いクセ」について紹介します。
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セルビアやクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナなど旧ユーゴスラビア諸国(1990年代初めに旧ユーゴスラビア連邦が解体され、各共和国が独立した)は、どこもサッカーだけでなくバスケットボールやハンドボール、水球など、ボールゲームが強い国だ。
Jリーグを彩ってきた、旧ユーコスラビア諸国出身の優秀な監督たち 強烈な「個(エゴ)の強さ」を持つと同時に、チームのために献身的にプレーするメンタリティを持ち合わせているあたりが、ボールゲームに向いているのだろう。
そして、旧ユーゴスラビア諸国は、サッカーだけでなくどの競技でも優れたコーチの宝庫でもある。たとえば、バスケットボールでも、クロアチア人ジェリコ・パブリセヴィッチが日本代表の監督(ヘッドコーチ)を務めたことがある。
パブリセヴィッチはイビチャ・オシムとは旧知の間柄だと言われていたが、旧ユーゴスラビア諸国のコーチたちが他の競技のコーチとも互いにネットワークをつくっているのは普通のことだ。コーチ養成コースの初期段階では、すべての競技のコーチがともに学ぶからである。他競技のコーチと情報のやり取りができるのが、旧ユーゴスラビア諸国の強みなのだ。
中東地域でも旧ユーゴスラビア諸国出身のコーチたちはたくさん働いているが、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにはそうしたコーチたちのたまり場のようなバーがあって、夜になると各競技のコーチたちが集まっている。そんななかで、バレーボールのコーチが「自分の見ている少年はどうもサッカー向きではないか」と考えて、サッカーのコーチに紹介するといったことも行なわれているらしい。
Jリーグでも、これまでに数多くの旧ユーゴスラビア出身のコーチが活躍してきた。
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