2020.11.02

遠藤保仁の影に敗れたアビスパ福岡。首位陥落も昇格へチームは熟成

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 長田洋平/アフロスポーツ●写真 photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

「(遠藤保仁については)チーム全体として、相手のキーポイントとして捉えていました。その点、それほど(流れの中で)ピンチはなくて。(ジュビロ)磐田のボランチのところは、2トップが強力な分だけ、出どころを抑えるというところで、ケアできていたと思います」(アビスパ福岡・上島拓巳)

 ガンバ大阪から新入団ながら、すでにチーム戦術そのものになった遠藤保仁を、アビスパ福岡はほぼ完全に封じていた。試合は彼らのペースだった。まさに順位どおり、練度の差を見せつけていた。だが......。

 福岡は遠藤を封じながら、その影に敗れたのである。

新天地でも存在感を発揮し続ける遠藤保仁(ジュビロ磐田) 11月1日、ヤマハスタジアム。J2で首位を走る福岡は、磐田の本拠地に乗り込んでいる。最近15試合は13勝2分けと好調。失点はわずか6で、守りからリズムを作れるチームだ。

 磐田戦も立ち上がりからペースを握った。3-4-1-2のような布陣を組んだ磐田に対し、シンプルな4-4-2で前線からプレスをかけつつ、中盤とのラインを分断。2トップの一角である遠野大弥は、効果的に遠藤へのパス供給源を断っていた。

 磐田の3バックはビルドアップでの距離感が悪く、それぞれが近いことで、簡単にプレスに遭ってしまう。ボランチへの供給もできず、いたずらに相手にボールを渡し続けた。プレスを回避できない時間が続き、その点で福岡とのチーム熟成の違いを露呈している。20分過ぎまで、まともに敵陣へ入ることができなかった。

 頼みの遠藤は孤立していた。パスを受けても、よくない状態なので下げるしかない。狙ったパスはミスになった。

 福岡は、前線からの守備を攻撃に旋回させていた。自分たちのボールにすると、サイドに起点を作りながら、中に入ってチャンスを作る。前寛之から福満隆貴へパスが出て、シュートを打ったシーンは際どかった。しかしゴールに近づくにつれ、やや精度が落ち、それは後半、自らの首を絞めた。

「引かずに行こう、とは話していましたが、押し込まれて。でも、そこを凌ぎ切れたことがよかった」(磐田・小川航基)