2020.11.02

目指すスタイルは魅力的だったが、
エスパルスの挑戦は跡形なく終わった

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 最近6試合、勝利から遠ざかっていた清水エスパルスにとっては、決して悪い内容の試合ではなかっただろう。

 J1第25節、清水は敵地で柏レイソルと0-0で引き分けた。勝ち点1を手にするにとどまったものの、特に前半、清水に勝機があったことは、両チーム監督のコメントにも表れている。

「いい試合だった。選手たちはいいプレーをした。前半は望んだように試合をコントロールし、チャンスを作った」(清水/ピーター・クラモフスキー監督)

「前半はよくなかった。相手のペースに飲まれ、攻撃を急ぎすぎた」(柏/ネルシーニョ監督)

 この試合に臨むにあたって、清水には日程上の大きなアドバンテージもあった。

 前の試合から中12日の清水に対し、柏は中2日。清水に試合がなかった12日間に、柏は2試合をこなしている。フィジカル面はもちろん、この試合への対策という部分でも、大きな違いがあったに違いない。

「準備期間が長かったので、守備の確認ができた。守備から入るというか、守備の形を(練習で)結構やったので、意思統一ができた」

 清水の左サイドバック、DF金井貢史がそう話したとおりだ。

 現時点(10月31日開催分終了時)で、17位の清水(勝ち点14)。総失点54はJ1ワースト。1試合平均で2点を超える失点が勝ち点獲得の足かせとなっている以上、失点減は応急処置として不可欠だった。日程の利はあったにしろ、それを生かして無失点で終えられたことは、苦境のなかで一歩前進と言っていいのかもしれない。

 しかし、である。

 清水が今季取り組んできた「新たな挑戦」という文脈のなかで捉えた場合、この試合の内容はどうだったのか。本当に、内容は悪くなかった、と言えるものだったのだろうか。

柏戦のあと、解任されたピーター・クラモフスキー監督