2020.11.02

鹿島の栄光の歴史には常にブラジル人がいる。
現コンビの貢献度は?

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 ACL出場圏内の3位とは3ポイント差。勝ち点45で並ぶ鹿島アントラーズ(6位)と名古屋グランパス(5位)の上位対決は、その試合の価値を表すかのように、立ち上がりから激しい展開となった。

 開始早々、金崎夢生と犬飼智也の小競り合いが勃発していきなりヒートアップすると、ピッチ上のあらゆるエリアで肉弾戦が繰り広げられる。足を引っかけられ、ラグビーのようなチャージを浴びて、ピッチ上でうずくまる選手が続出。負傷者が生まれ、イエローカードも頻発し、ついには退場者まで出る。

リーグ2位の13ゴールを記録しているエヴェラウド そんな様相となった一戦は、サッカーというよりも格闘技に近かった。鹿島のザーゴ監督も「サッカーの試合ではなく、ファウルゲームが行なわれていたと思っている」と、試合をコントロールできなかったレフェリーを皮肉るほどだった。

 もっともその言葉には、多分に負け惜しみも含まれていただろう。試合は組織的な守備を保ち、一瞬の隙を突いてゴールを重ねた名古屋が2−0でモノにして、ACL出場圏内に浮上している。

 よくも悪くも、ブラジル人選手が目立つ試合だった。

 先制点につながったPKを誘発し、終了間際にダメ押しゴールを奪ったのは名古屋のマテウス。強烈な左足を武器に、ここ6試合で4得点とまさに絶好調にある。

 一方、鹿島のファン・アラーノは、サイドの位置では華麗な突破を駆使して躍動するも、試合途中にボランチに移って守備のタスクを求められると、61分、68分と無理な対応を2度繰り返し、退場処分に。数的不利に陥った鹿島は、これで完全に勝機を失った。

 極論すれば、ブラジル人選手の出来が、勝敗を左右した試合でもあったのだ。

 鹿島の栄光の歴史を振り返れば、ブラジル人の存在を抜きには語れない。そのルーツがジーコにあるのは言うまでもないだろう。引退後もクラブに影響力をもたらす"神様"は、独自ルートでタレントを発掘し、鹿島とのパイプをつなげた。