J1前半戦で移籍が「大吉」のベスト5。今季、飛躍を遂げた選手は誰? (5ページ目)

  • 山添敏央、佐野美樹●撮影 photo by Yamazoe Toshio,Sano Miki


第1位:MF坂元達裕
(モンテディオ山形→セレッソ大阪)

text by Sugiyama Shigeki

 昨季5位のセレッソ大阪が今季、川崎フロンターレに次いで現在2位につける理由は何か。

 2季目となるミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の戦術がより浸透したから。堅い守りを基盤にした大崩れしないサッカーが、完成度を高めていることは確かだろう。

 しかし、好調セレッソを語るうえで、スタメンの中にただひとりの新加入選手=坂元達裕の存在を忘れるわけにはいかない。J2モンテディオ山形から移籍してきた大卒2年目のレフティーだ。

 4-4-2の布陣を敷くセレッソにあっては、右サイドハーフ。左のサイドハーフの清武弘嗣がやや中央よりで構えるのに対し、坂元はタッチライン際にウイングっぽく開き気味に構える。自慢は高い技術。最大の武器は切れ味鋭いドリブルになる。

 ロティーナ監督の信任が厚いことは、坂元の出場時間に現れている。(17試合を消化した時点で)1324分はチームで4番目。攻撃陣では、主将で10番の清武を上回るナンバーワンの数字だ。

 後半13分の清武の同点弾と、後半41分の高木俊幸の逆転弾をそれぞれアシストした第16節の横浜F・マリノス戦。とりわけ目を奪われたのは、横浜FMの左SBティーラトンをフェイントで交わして折り返した、決勝弾のアシストだ。

 さらに言えば、交代枠5人制で行なわれている今季にあって、身長170cmの小柄なアタッカーが、後半41分までピッチに立っていることも特筆に値する(結局フル出場した)。監督の評価のほどがうかがえる。

 首位川崎との勝ち点差は5。坂元はリーグ戦後半の行方を占うキーマンといってもいい。彼を山形から引き抜いたスタッフの慧眼は讃えられるべきだろう。

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