J1前半戦で移籍が「大吉」のベスト5。
今季、飛躍を遂げた選手は誰? (2ページ目)
第3位:FWジュニオール・サントス
(柏レイソル→横浜F・マリノス)
text by Komiya Yoshiyuki
ジュニオール・サントスは、夏の移籍で柏レイソルから横浜F・マリノスに新天地を求め、(9月18日時点で)リーグ戦で9試合出場6得点を記録している。シュートする瞬間にヘッドダウンすることで、コースを読みにくいこともあるが、足を振るパワーは非凡。相手GKにとっては、脅威だ。
第11節の清水エスパルス戦では、自陣からドリブルをはじめ、爆走して相手2人を交わし、右足を振り切って、逆サイドに叩き込み、度肝を抜いた。第12節のサンフレッチェ広島戦では、ファーポストから走り込んで高く跳躍すると、マーカーを弾き飛ばすように豪快なヘディングシュートを決めている。その得点シーンはパワー満点だ。
移籍・補強という点では、他を圧倒する存在だろう。
実は組み立てや守備でも、質の高さを見せている。広島戦の豪快ヘッドでも、その前にポストに入ってボールを展開し、動き直してエリア内に入っている。第15節の名古屋グランパス戦では、敵陣でのプレスの先駆けとなってボールを奪い返し、左サイドを味方が崩したあと、ワンタッチでゴールを決めた。王者・横浜FMの戦い方に新たな色彩を加えた印象だろう。
もっとも、傑出したパワーがある選手であるがゆえに、周りが頼り切ってしまうと、そのプレーは大味に見えてしまうかもしれない。対戦相手も研究し、警戒も強まっている。
たとえば、第16節のセレッソ大阪戦、戦術的に守備が鍛えられたチームを相手にすると、存在感が薄れた。後半戦は、「ジュニオール・サントスを生かす戦い方」を整理する必要も出てきそうだ。
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