橋本拳人&室屋成の穴を埋め切れない
FC東京。若手台頭の希望はあるか (3ページ目)
ところが、そこで起こった品田のミスが「3点目の失点の起点になった」(長谷川監督)。
後半40分、相手のロングボールを拾った品田は、シンプルに前線へ蹴り出せたはずだが、1点ビハインドの状況だけに、より確実につなぎたいとの思いがあったのだろう。
小さく左へドリブルをし、少し時間を作ってから縦パスを出そうとした瞬間、相手にボールを奪われ、そのまま失点につながった。
その後の品田は必死だった。ロスタイムを含めた10分あまり、自らのミスを取り返そうと、果敢に大分ゴールへと向かった。
システム変更によりダブルボランチになっていたことで、品田が「あそこまでしっかり詰めることができた」と振り返ったのは、後半45分のシーン。FW田川亨介のシュートがGKに止められたボールを、勢いよく頭で押し込んだ。
品田にとっては、記念すべきプロ初ゴール。だが、まだ1点負けているとあって、笑顔も見せずにゴールの中に転がるボールを拾うと、すぐに走って自陣へ戻った。
試合終了直前にも、FW原大智のシュートがGKに止められたところに、体ごと飛び込み、あわや同点ゴールという場面を作っている。
必死さと、そして拙さと、よくも悪くも20歳らしさが出ていた90分間だった。
「はじめはバランスをとっていた。(リードされて)行かなきゃいけないということで、ゴール前に積極的に入って行ったのではないか」
試合後、長谷川監督が口にした品田評には、どこか物足りなげなニュアンスが含まれていた。
「元来、得点センスはある。自分らしさを出せばもっとよくなる」
指揮官は、そんな言葉に期待も込めた。
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