【THIS IS MY CLUB】中村憲剛が語る川崎の哲学。殴り合い上等の頃からブレてない (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

――それはどうして?

「みんなが笑顔だからです」

――満面の笑顔が見られる瞬間ですね。

「みんなで掴み取った勝利を一緒になって喜んでくれる。サッカーしている時って、なかなかサポーターの顔って見られないじゃないですか。試合が終わって、バックスタンドからサイドスタンドに歩いていって、メインスタンドに戻ってくる。選手同士でも試合の感想を話したり、喜び合いながら、サポーターの人たちが笑顔で名前を呼んでくれたりして。

 あの選手とサポーターがつながる瞬間。あれは何度、味わってもいいんですよね。本当にすごく、すごく、幸せな空気なんです。フロンターレのサポーターは、滅多にブーイングをしない。当初は、それが甘いと言われることもありました。でも、選手からしてみたら、(ブーイングを)されないのも辛いんです。逆にそれがエールになってお尻を叩かれたことは、過去にもたくさんありました。

 もちろん、負けてもなお、チャントを歌ってもらって背中を押されることもあった。だから、フロンターレのサポーターは、いつかタイトルが獲れると信じて、ずっと背中を押しつづけてくれた、そんな人たちなんです」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る