【THIS IS MY CLUB】中村憲剛が語る川崎の哲学。殴り合い上等の頃からブレてない (3ページ目)
――それはどうして?
「みんなが笑顔だからです」
――満面の笑顔が見られる瞬間ですね。
「みんなで掴み取った勝利を一緒になって喜んでくれる。サッカーしている時って、なかなかサポーターの顔って見られないじゃないですか。試合が終わって、バックスタンドからサイドスタンドに歩いていって、メインスタンドに戻ってくる。選手同士でも試合の感想を話したり、喜び合いながら、サポーターの人たちが笑顔で名前を呼んでくれたりして。
あの選手とサポーターがつながる瞬間。あれは何度、味わってもいいんですよね。本当にすごく、すごく、幸せな空気なんです。フロンターレのサポーターは、滅多にブーイングをしない。当初は、それが甘いと言われることもありました。でも、選手からしてみたら、(ブーイングを)されないのも辛いんです。逆にそれがエールになってお尻を叩かれたことは、過去にもたくさんありました。
もちろん、負けてもなお、チャントを歌ってもらって背中を押されることもあった。だから、フロンターレのサポーターは、いつかタイトルが獲れると信じて、ずっと背中を押しつづけてくれた、そんな人たちなんです」
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