【THIS IS MY CLUB】中村憲剛が語る川崎の哲学。殴り合い上等の頃からブレてない (4ページ目)
――そんなサポーターに、3年連続でタイトルを届けてきました。今後のフロンターレはますます期待されるクラブになっていくと思います。
「だからこそ、ピッチ内外を含めて幹となるもの、大事にするべきところはしっかりと受け継いでいかなければならない。ただ、現状維持は後退のはじまり。やっぱり、新しいこと、面白いこと、サポーターの人たちと一緒に楽しめる、喜べるものを常にやっていかなければいけない。そうしなければ、フロンターレらしさは継続していけないと思うんです。......もはや、クラブスタッフの考えに近いですね(笑)」
――最後にリーグ再開に向けて意気込みをお願いします。
「プロスポーツでは野球が始まり、つづいてサッカーも始まります。一方で、甲子園やインターハイなど、小中高生の大会が中止になっている。そうした状況なだけに、自分たちがプレーできる意味を、全Jリーガー、そしてJリーグに関わる一人ひとりがかみ締めなければいけないと思っています。
だからと言って硬くなる必要はなく、プロってすごいなというプレーを見せなきゃいけない。待ち望んでくれていた人たちが試合を見て、待っていたのはこの週末だったとなるような試合をしなければいけないと思います」
――左膝前十字靱帯損傷からの復帰を目指している自身のリハビリも前に進んでいます。
「そうしたなかで、自分はサラッと復帰できればと思います(笑)。というのは冗談ですけど、おそらく復帰するとなれば、注目してもらえるはず。それだけに、自分自身もいい準備をして臨みたい。やっぱり憲剛のプレーはさすがだなって思ってもらえるように。自分自身もそこに期待してもいるので、そのために日々のきついリハビリを頑張っています。リーグ再開後は、猫の手も借りたいくらいの連戦ですし、きっと出番は来るはず。その時まで温かい目で見守ってください(笑)」
(おわり)
中村憲剛
なかむら・けんご/1980年10月31日生まれ。東京都小平市出身。川崎フロンターレ所属のMF。中央大学卒業後、03年に川崎入り。以降17シーズンでJリーグベストイレブン8回、MVP1回の活躍。クラブの3度のタイトル(J1優勝2回、ルヴァンカップ優勝1回)獲得に貢献している。日本代表国際Aマッチ68試合出場。10年W杯メンバー。
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