Jリーグ観戦記者が感じた不安と戸惑い。ピッチ上には「新しい様式」があった
4カ月ぶりの再開である。待ち遠しくもあり、どこか不安でもあった。
たかだか4カ月かもしれない。それでも、日韓ワールドカップが開催された2002年にサッカーメディアの世界に飛び込んで以来、これほど長い間試合を観られないことはなかった。ほぼ毎週末どこかの会場に足を運び、選手のプレーや声を届ける仕事をこなしてきた。それが普通のことだった。
無観客のフクダ電子アリーナで千葉vs大宮が行なわれた シーズンオフだって、長くても3カ月程度だから、4カ月もスタジアムから遠ざかることは初めての経験だ。禁断症状が出てしまうほどでもなかったが、物足りなさというか、しっくりこない感覚はあった。
だが、時は感覚を麻痺させる。そんな状況にも次第に慣れていき、週末にはウーバーイーツを頼んで、ネットフリックスでも眺めていればよくなった。サッカーがない生活が日常となったのだ。
だから、取材人数の制限があった今回の再開試合にダメもとで申請し、それが承認された時には、うれしさよりも不安が上回った。
1 / 6