40歳の稲本潤一に聞く。
カズ超えまでプレーする可能性は? (8ページ目)
当面の間、適用される無観客試合は、過激なサポーターが多いことで知られるガラタサライ(トルコ)時代に何度か体験済みだ。それも、多くの経験を積んできた稲本ならではのアドバンテージだろう。
遅れてやってきた新シーズンの開幕前に感じるのは、やはりプレーできるという喜びにほかならない。
「自粛期間が長かったので、あらためてサッカーをやれる楽しさだったり、喜びというのは、すべてのサッカー選手にあると思う。やれる環境を整えてくれた人たちに感謝したいですね。
正直、サッカーができない時は、歯がゆい部分がありました。SNSで発信したりできる時代にはなりましたけど、それが僕たちの本来の仕事ではないですから。
サッカーをして、観てくれる人を楽しませるのが、サッカー選手としてやるべきこと。それを3カ月近くできなかったのは苦しかったけど、この期間を前向きに捉えれば、サッカー選手の価値をあらためて見直すいい機会だったかなと思います」
サッカーへの渇望と、支えてくれる人たちへの感謝の想いを抱き、日本中を熱狂させた名ボランチは、24年目のシーズンをスタートさせる。
(中編につづく)
【profile】
稲本潤一(いなもと・じゅんいち)
1979年9月18日生まれ、大阪府堺市出身。1997年、ガンバ大阪の下部組織からトップチームに昇格し、当時最年少の17歳6カ月でJリーグ初出場を果たす。2001年のアーセナル移籍を皮切りにヨーロッパで9年間プレーしたのち、2010年に川崎フロンターレに加入。その後、北海道コンサドーレ札幌を経て、2019年よりSC相模原に所属する。日本代表として2000年から2010年まで82試合に出場。ポジション=MF。181cm、77kg。
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