なぜMVPが優勝クラブ以外から選ばれたか。Jリーグで意外と多いその理由 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Masakazu Watanabe/AFLO SPORT

 優勝クラブからMVPが選出されないという事態は、2ステージ制ゆえの納得感の低さが反映されたものだと言っていい。要するに1シーズンをトータルで見たとき、最も高い評価を受けるのが優勝クラブとは限らないのである。

1998年にMVPを受賞した中山雅史1998年にMVPを受賞した中山雅史 わかりやすい例を挙げてみよう。

 例えば、1998年MVPの中山雅史(ジュビロ磐田)。

 この年、ファーストステージ優勝は磐田だったが、セカンドステージを制した鹿島アントラーズが、チャンピオンシップで磐田を下し、年間優勝となった。

 とはいえ、ファーストステージで5位だった鹿島は、年間総勝ち点(ファーストステージとセカンドステージの合計)を見ると、磐田に次ぐ2位。しかも、年間総得点では磐田の「107」に遠く及ばない「79」にとどまった。1998年は、いわば「磐田強し」を印象づけたシーズンであり、27試合出場で36ゴールという驚異的な記録を残した中山は、まさにそれを象徴する存在だったわけだ。

 あるいは、1999年MVPのアレックス(清水エスパルス)。

 この年はファーストステージを制した磐田が、セカンドステージ王者の清水をチャンピオンシップで下し、年間優勝。前年の屈辱を晴らす結果となった。

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