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なぜMVPが優勝クラブ以外から
選ばれたか。Jリーグで意外と多いその理由 (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Masakazu Watanabe/AFLO SPORT

 しかしながら、年間総勝ち点に目をやると、トップは清水で、これに続くのはステージ優勝がなかった柏レイソル。磐田はセカンドステージで12位(!?)に沈んでいたため、年間総勝ち点では6位タイという成績だったのである。

 要するに、1998~2001年に共通するのは、年間優勝クラブといえども、1シーズンを通してコンスタントに結果を残したわけではない、ということ。わかりやすく言ってしまえば、そのシーズンで一番強かったクラブが、優勝クラブとして認められなかった、ということだ。

 実際、2ステージ制のシーズンであっても、2002年のように磐田が両ステージを制覇し、完全優勝を成し遂げた年は、磐田の高原直泰がMVPに選ばれている。2ステージ制が抱えていた問題点を、図らずもMVP受賞者が指摘していると言えるだろう。

 2ステージ制がある種の矛盾を引き起こしていたことは、2ステージ制が採用されていた2004年以前と、現在に至る1ステージ制が"ほぼ"定着した2005年以後を比べると、はっきりわかる。優勝クラブ以外からMVPが選ばれたことが、2004年以前には6回もあるのに対し、2005年以後は3回に半減しているのだ。

 しかも、2004年以後の3回のうち1回は、一時的に2ステージ制が採用された2016年でのこと。つまり、1ステージ制のシーズンで言えば、2回しか起きていない。やはり、1ステージ制と2ステージ制では、優勝決定に至る納得感に差があるというだろう。

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