超大型ルーキー松村優太は、すでに「アントラーズらしい選手」だ (6ページ目)

  • 原田大輔●取材・文・撮影 text & photo by Harada Daisuke


「もちろん、できないことを考えはするんですけど、そこばかりを見ていると、できることもできなくなってしまうというか。実際、足りないところは多いですけど、練習試合ではドリブルで仕掛けたり、アシストできることもある。アントラーズには経験豊富な選手がたくさんいるので、その人たちの中で揉まれることで、できないところも磨かれてくるんじゃないかなと思っています」

 自分の武器は「スピードとドリブル」と認識している。ただ、高校時代と比べてすべてのスピードが格段に上がったプロの世界では、武器だと思っていた自分の特徴すらかき消されてしまう可能性もある。

「だから、迷わないようにしています。仕掛けようと思ったら、まずは仕掛ける。それが先ほども言った判断力を上げていくことにもつながるのかなと」

 松村ならば、デビュー戦の苦い経験もプラスに変えることができるだろう。思い切りのいいドリブルと縦に仕掛ける強気なプレー以上に、その思考に惹かれた。

 彼の原点はどこにあるのだろうか。それは、武器であるドリブルが武器になり得る前の幼少期にあった。

(後編につづく)

【profile】
松村優太(まつむら・ゆうた)
2001年4月13日生まれ、大阪府出身。大阪東淀川FCから静岡学園高校に進学。背番号10番を背負い、チームを同校初の単独優勝に導く。今季から鹿島アントラーズに加入。ポジション=MF。173cm、63kg。

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