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度肝を抜くドリブル&ロケット弾。
フッキのプレーはまさに超人だった (2ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by AFLO

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 その試合の2ゴールを含め、開幕から5試合連続で計7得点を記録。最終的には37ゴールを挙げ、後続に11点差をつけてダントツのトップスコアラーとなり、東京ヴェルディのJ1昇格の立役者となった。

 本名は、ジバニウド・ビエイラ・デ・ソウザ。通り名の由来は、彼の父が実写版ドラマ『超人ハルク』をことのほか好きだったからだという。それにしても、ここまでぴったりな愛称になると想像しただろうか。ピッチ上のフッキはまさしく、超人そのものだった。

 でもひとたび芝生を離れると、謙虚で素朴なナイスガイだったと、書き手と懇意にする当時のチーム広報が教えてくれた。試合や練習では、パワフルな突破や豪快なシュートで相手を吹き飛ばすこともあったが、普段はチームメイトやスタッフといつも笑顔で接し、ファンとも喜んで触れ合ったという。

 こんなエピソードがある。

 J1昇格がかかった2007年シーズンのホーム最終戦に累積警告で出場できなかったフッキは、試合前にスーツ姿でゴール裏にやってきて、拡声器を使って応援歌を歌い出し、サポーターとともに最高のムードを演出──そしてチームは勝利と昇格を勝ち取った。

 鮮烈なパフォーマンスを続けたシーズンの終盤だっただけに、移籍の報告をされるのかと恐れていたヴェルディのファンは、これでさらにフッキを好きになったとか。

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