「サッカーそのもの」――イニエスタが
Jリーグでプレーしている幸せ (2ページ目)
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今なお、特別なプレーを見せているイニエスタ
『サッカーそのもの』――そんなレベルにある選手は、Jリーグどころか、世界のどこにもいない。
筆者がイニエスタのプレーを初めて目にしたのは、ミニ・エスタディだった。カンプ・ノウに隣接したスタジアムで、当時はバルサBが本拠地にしていた(現在の本拠地は、郊外のジョアン・ガンペール総合スポーツ施設内にあるヨハン・クライフ・スタジアム)。1万5000人ほどの収容人数のサッカー専用スタジアムだ。
2001-2002シーズン、イニエスタはまだ17歳だった。トップチームでデビューはしていない。むしろ、ユースでも年少選手で、大人に混じるとひどく小さく細く見えた。
しかし、必死になった大の大人たちが、まったく歯が立たなかった。懲らしめるような調子で思い切り削りにいくのだが、くるりとターンで交わされ、無様によろめく。頭にきてタックルを仕掛けるのだが、予期されたように外され、足にもボールにも届かない。そこで、複数の選手で囲むと、その刹那に決定的なパスを通される。
それは、見たことがないサッカーショーだった。
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