手練れの業師、石原直樹。古巣・湘南に復帰のベテランが伝えたい経験 (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 この日2トップを組んだ同じく新戦力のタリクとは、「まだ数えるくらいしか一緒にプレーしていない」が、ワンタッチのパス交換を通したりと、早くも息の合った連携を見せた。

 また1点目のシーンでは、タリクが何気なく中央に駆け込んでいるように見えて、向かって右側のCBと競り合うことで石原がフリーになれた。ノルウェー代表で10番をまとう32歳との熟練コンビには、期待していい。

 撃ち合いとなった開幕戦はその後2-2となり、湘南が得たPKをタリクがバーに当ててしまったあと決勝点を決められ、2-3で競り負けた。惜しくも古巣での初戦を白星で飾ることはできなかったが、石原は帰ってきたホームグラウンドの芝は「相変わらずいい」と懐かしいピッチの感触を噛み締めた。

 もっとも黒星スタートの事実は重く受け止めている。

「ゴールは自信になります。でも勝ち点を拾っていかないと。内容だけでなく、結果を求めて(手にして)いかないと、あとで苦しくなるので。今から危機感を持ってやっていきます」

 今季の湘南は、走力とプレス、献身性、縦に速い攻撃といったこれまでの"湘南スタイル"に加えて、マイボールをしっかり回してサイドから崩す手法も取り入れようとしている。

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