ドウグラスが備える矜持。「ヴィッセルは無冠に終わってはいけない」

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

ヴィッセル神戸インタビュー特集(4)
FWドウグラス

 昨季のJ1王者、横浜F・マリノスと対戦した富士ゼロックススーパーカップ。前半27分にドウグラス(清水エスパルス→)が決めた先制点は、彼にとって移籍後初ゴールであり、ヴィッセル神戸の今シーズン公式戦初ゴールとなった。

 アンドレス・イニエスタからの絶妙なスルーパスから生まれた一撃。思えば、今シーズンの練習初日、イニエスタとの連係について、ドウグラスが語っていたとおりのものだった。

「イニエスタは、世界的なトップレベルの選手。彼はおそらく、周りの選手すべての動きが見えていると思う。ならば、自分たちが正しい動きをすれば、必ずボールは出てくるはずなので、連係には何の不安もありません。タイミングさえ合えば、いつだっていいパスが彼から来て、それは得点チャンスにつながると思っています」

 もっとも、イニエスタのパスも超一流なら、ドウグラスの一発も超一流だ。オフサイドにならないように、相手DFラインを見極めながら、瞬間的にゴール前に抜け出し、迫り来る相手DFのマークをものともせず、右のゴールポストへ、角度のないところから左足を振り抜いた。

 日本でのキャリアは、ヴィッセルで5クラブ目を数える。今回の移籍は、大きく分けて3つの理由によって決断した。

「長い時間をかけて成長するための、計画を立ててきたクラブであること。AFCチャンピオンズリーグに出場するだけではなく、そこで結果を残したいという強い意志を持っていること。サッカースタイルが自分に合うこと」

 とくに昨季、ヴィッセルが繰り広げたポゼッションサッカーは、対戦相手としても、魅力的に映ったという。

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