王者F・マリノスが敗れた理由。研究し尽くされて、次の一手は? (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by KYODO

 34分、横浜FMは相手GKが蹴ったロングボールに対し、オフサイドをかけられない。すると倉田にフリーで裏へ走りこまれ、マイナスの折り返しを矢島慎也に叩き込まれた(VAR判定でゴール)。

「昨シーズンから、ラインを上げた裏を狙われるという場面はあった。今シーズンも、それは変わらないということだろう。しかし去年、自分たちはこのサッカーで優勝したわけで、ラインを揃えてあげるタイミングを修正していくだけだ」(横浜FM/チアゴ・マルチンス)

 この日の横浜FMは、戦い方のネガティブな面が露呈した。

 しかし0-2とリードを許して後半に折り返すと、ポジティブな面も見せるようになる。左サイドからの攻撃を中心に決定機を作った。遠藤渓太が抜け出し、オナイウ阿道がクロスに合わせたシュートはわずかに枠の外へ外れた。

 65分にはエリキを投入し、4-1-2-3のような布陣に変更し、攻勢を強める。そして74分、扇原貴宏のくさびのパスを受けたマルコス・ジュニオールが、反転して左足でゴール左上隅にコントロール。ようやく1点を返した。

「相手は自分たちのサッカーをスカウティングし、対策を練ってきた。ただ、これからもそれは同じだろう。後半は多くチャンスを作れていた。あとはラストパスの丁寧さや、フィニッシュを大事にしたい」(横浜FM/マルコス・ジュニオール)

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