福田正博が2020年のJ1を展望。上位争いに加わる注目クラブは? (5ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 主な補強では清水からドウグラスを獲得。年間10ゴール以上計算できることは戦力アップと言える。ただ、昨季のビジャのような目立った大型補強はなく、ACLとリーグ両方のタイトルを狙うには、選手層が気がかりな点だ。もちろん新たなビッグネーム獲得のために、ヨーロッパのシーズンが終わるのを待っている可能性は十分ある。


 台風の目になりそうな存在が柏レイソルだ。昨季途中加入でチームの中核になったマテウス・サヴィオが完全移籍で残留。ほかにユースからの昇格選手を含めて新戦力を補強した。昨年末に井原正巳コーチに会った際、彼は「ネルシーニョ監督の強みが出るはず」と自信をみなぎらせていた。

 ネルシーニョ監督は日本での指導歴が長く、新しい選手を使うことも巧みだ。ここぞという場面での勝負勘もある。J2優勝の翌年、J1に昇格した2011年シーズンにリーグを制覇した実績もある。スタートダッシュに成功して勢いに乗れば、『2011年の再現』は現実味を帯びる。


 スタートダッシュは、どのクラブも狙っているだろう。昨年の成績が芳しくなかったチームは、開幕から1カ月ほどの勝敗次第では、サポーターの信頼を失う危険性もある。その点で心配なのが浦和レッズと名古屋グランパスだ。

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