福田正博が2020年のJ1を展望。上位争いに加わる注目クラブは? (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 昨シーズンはリードを奪っても勝ち切れない、あるいは押し込みながらもゴールを奪えない試合がいくつかあった川崎。その状況を打破するには、世代交代を含め、これまでの戦い方に加えて、新たなエッセンスを取り入れられるかがカギだと考えている。

 川崎のサッカーは緻密なコンビネーションをベースにしているため、選手の顔ぶれが変わると機能しなくなるケースがある。それが表われていたのが、昨季の右サイドだった。エウシーニョ(清水エスパルス)が右SBをつとめた一昨年は、彼の前方にポジションを取る家長昭博との連係で右サイドを崩して攻撃が活性化していた。

 しかし、昨季はエウシーニョが清水に移籍し、新たに右SBで起用されたマギーニョ(横浜FC)や馬渡和彰(湘南ベルマーレ)はエウシーニョの穴を埋めることができなかった。結局、本職は別ポジションの守田英正や車屋紳太郎、登里享平らも右SBで出場し、固定できなかった。

 今季、右SBは新加入のジオゴ・マテウスも候補のひとりだろう。ブラジル人らしい高い技術を持ち、精度の高いクロスを持ち味にしている。それだけにFWレアンドロ・ダミアンを活かすクロスボールや、カウンターからの速攻など、新たな攻撃パターンを視野に入れてもいいのではないか。

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