坪井慶介が振り返る現役時代。オフト監督との出会いが運命を変えた (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki



 一番の決め手になったのは、他者からはうかがい知れない感覚的なものだという。

「普段の練習や試合のなかで、スピードや反応の部分で衰えを感じるようになったんです。シュートブロックに行っても当たらないとか、身体を入れているイメージだったのに、ボールを突っつくことしかできなかったり。ちょっとしたところで、『あれ?』って思うことが増えていった。

 周りからはわからなかったかもしれないですけど、ごまかしてやることは自分のなかでは許せなかった。もちろん、経験で補うことはできたかもしれないですが、納得できないままプレーし続けることは、自分のなかではできませんでした」

 2019年11月7日、坪井慶介は18年にわたるキャリアに幕を下ろす決断を下した。

(後編につづく)


【profile】
坪井慶介(つぼい・けいすけ)
1979年9月16日生まれ、東京都多摩市出身。2002年、福岡大から浦和レッズに入団し、Jリーグ新人賞とフェアプレー賞を受賞。2003年には日本代表デビューを果たし、2006年のドイツW杯メンバーにも選出される。公式戦454試合、日本代表40試合出場。ポジション=DF。179cm、70kg。

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