2020.01.03

神戸の守護神・飯倉大樹は古巣との対決は「正直、やりたくない(笑)」

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

神戸のゴールマウスを守る飯倉大樹 2020年元日と令和初──。西暦でも和暦でも節目となる快晴の日に、大型補強を進めるクラブが初めて頂点に立った。アンドレス・イニエスタやダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキら、大物外国籍選手を次々に迎えてきたヴィッセル神戸が、ついにその戦力にふさわしいタイトルを手中に収めたのだ。

 新国立競技場のこけら落としとなった鹿島アントラーズとの天皇杯決勝。神戸は前半から主導権を握り、相手のオウンゴールと鹿島戦に強い藤本憲明の得点で2点をリードする。しかし後半は敵が布陣を変更して流れを引き寄せ、ヴィッセルは我慢を強いられることに。

 それでも最後まで鹿島の攻撃をしのぎきり、無失点で2−0の勝利を手にできた理由を、GK飯倉大樹は「気持ちだと思いますよ」と明かした。

「前線で動きが少なくなり、デュエルで負け始めて、もう守るしかねえってなった時に、全員でハードワークできた。途中、きつそうな選手もいたけど、一生懸命、声を掛け合って、体を張って」

 この日の神戸の最終ラインは、右からダンクレイ(ブラジル)、大崎玲央、トーマス・フェルマーレン(ベルギー)と国籍も母国語も違う。中盤の低い位置にはイニエスタ(スペイン)もいる。彼らはどんな言葉でコミュニケーションを取っていたのだろうか。

「日本語ですよ。そうはいっても、(両軍サポーターの大声援が響くピッチ上で)声なんて届きやしないから、ジェスチャーとか、名前を呼んだりとか。みんなで怒鳴り合いみたいな感じで、『おい、やれよ!』って。なりふりかまわず、がむしゃらに。でもそういうのが、このチームに欠けていたものだから。神戸はパスを回して綺麗なサッカーを目指してきたけど、こういう泥臭い部分が必要だった」